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お知らせ

全体 出版社で働く東大出身者へのインタビュー Vol.4 Gakken MYさん

公開日:2026年5月25日

■名前
MY

■東大在籍時の学部、専攻
後期教養学部教養学科国際日本研究コース 2024年度(秋卒業)

■現在勤めている出版社
株式会社Gakken
Webサイト:https://hon.gakken.jp/

■大学時代の過ごし方
大学入学当初から就職活動をする決断に至るまでの間、学校教員になることを志していたため、「教育」一辺倒な生活をしていました。 学内では、所属学部では取りにくい教職課程を履修し、学外では、教育関係のボランティアやインターンシップに参加していました。後悔はありませんが、他の分野や世界にもっと触れてみればよかったとも感じています。

■大学時代における本や生協書籍部との関わり方
子どもの頃からミステリー小説や漫画が好きで、大学に入ってからもそれは変わりませんでしたが、新たにエッセイを読むようになりました。実家を離れ、コロナ渦で人と会うことも少ない中で、エッセイを通して知る、他者が見る世界やその語りに、救われていたのだと思います。
残念ながら、生協書籍部さんには、教科書の購入など、欲しいものが決まっているときに伺うという形で、積極的には利用できていなかったです。今となっては、もっと行けばよかった!と思っています。

■出版業界を選んだきっかけ
これまでの人生において「ことば」や「本」に選択肢を増やしてきてもらった実感があったため、学校教員以外の道を考え始めた時に、自然と出版社が浮かびました。もともと、職業選択の軸として、誰かの選択肢を1つでも増やすお手伝いをさせていただきたいという思いを持っていました(少しかっこつけな言い方かもしれません)。その術として「教育」や「ことば」に私個人が強い影響を受けたため、それらに関わることができる出版社で働きたいと考えるようになりました。

■どんな仕事をしているか
担当ジャンルの販売担当(営業職)として、書籍や雑誌の流通にかかわる業務を行っています。社内では、編集部と価格や刷部数の検討、表紙やバーコードの確認、注文書やPOPなどの作成をし、流通上の事故が起きず、多くの方々にお手に取っていただくための業務をしています。また社外では、各販売会社様との部数交渉や書店様との特典施策の実施検討などの業務をしています。

■勤めている出版社の特徴や魅力
個人的には、やはり「教育」が根底にあることが大きな魅力でした。入社してからは、穏やかで真面目、だけどどこか(いい意味で)変な社員が多いところにも魅力を感じています。自らの好きを突き詰めている人が多く、話しているだけでもたくさんの学びがあるため、彼らが作る書籍や雑誌を流通させる一助となれることが嬉しいです。

■出版業界にいて感じること
新入社員という肩書がつい先日外れたばかりで、まだまだ分からないことも多く、日々勉強中です。そのため、出版業界について語るにはあまりに浅薄な知識しかありませんが、これまで一読者として購入してきた書籍や雑誌が(作る労力に対して)非常に安価だったのだと思わされるほど、一冊の本を作るために多くの人が関わっているのだと学びました。また、社会的な意義や文化の豊かさに貢献する一方で、会社である以上は必要な利益を確保するということとの狭間にある業界なのだと感じています。

■仕事のやりがいや楽しさ
担当しているジャンルの売れ時や動きの傾向が少しずつ掴めてきたと感じる時や、反対に想定していた動きが全くもって裏切られるときに面白さを感じます。特に後者においては、読み切れることのない、数字やデータではない「人」の存在を感じて、読者の方々の存在をたびたび再認識させてくれます。また、編集部とコミュニケーションをとりながら、同じ方向性へ向かっていると実感できるときにもやりがいを感じます。

■自社の推薦商品とその理由
『いつも隣に』案ずるペンギン ISBN:9784054070547
同じチームの先輩が販売担当をしている書籍です。「案ずるペンギン」による、ほっとする一言がかわいいイラストと共に紹介されています。一年目社員としていっぱいいっぱいだった私にとって、肩の力を少し抜いても良いのかと気づかせてくれる言葉に救われました(今も救われています)。学生のみなさまも、研究や就職活動などにおいて、人と比べてしまうこと・自分を追い詰めてしまうことなどがあるかと思います。そんな時、ぜひ手に取っていただきたいです。

■東大生に読んでほしい本
The Giver, Lois Lowry, Clarion Books, ISBN:9780544336261
 ※日本語訳:『ギヴァー 記憶を注ぐ者』(訳:島津やよい)
一番好きな児童書です。児童書ですが、社会学書や哲学書ともいえるのではないかと個人的には感じています。家族や職業など、全てが管理され、「選択」をすることがない社会において、歴史や記憶を保持する唯一の存在として選ばれた主人公が葛藤する物語です。
自ら「選ぶ」ことは難しく、怖いことだと思います。大学に入ると、これまで得られなかった選択の機会を含め、自らが選んでいく場面が増えていくと思います。選択をすることは怖い、のですが、そこには豊かさがあり、決して誰もが平等に与えられているものでもないということを痛感しながら、小さな選択も大切にしたいと思わせてくれる一冊だと感じています。

■東大生へのメッセージ
“Yesterday is gone. Tomorrow has not yet come. We have only today. Let us begin” – Mother Teresa
学生時代は思いのほか早く過ぎ去りました。
昨日のことを悔やんで、明日の心配をする。心配性の私は、いまだに過去と未来にとらわれがちなのですが、限られた学生時代にそればかりだと少しもったいなかったなと感じています。
先行き不安な社会の中で今日を生きるというのは、実は難しいのかもしれません。
それでも、みなさまが、ご自身の好きや関心ごとに没頭できるような今日が積み重なっていくことを、勝手ながらに願っております。

<了>

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