入門駒場ライフ
科類・進学選択について

※このページは東京大学生協が作成したものです。大学の公式見解ではありませんのでご了承ください。

※次年度以降に変更の可能性があります。必ず入学後、学生自身が教務課HP・便覧等で確認をしてください。

科類について

東京大学には、みなさんご存じ文系3つ、理系3つ、計6つの科類があります。このページでは、この科類の違いについて説明します。

みなさんが一番最初に科類というものを意識するのは受験の時でしょう。大学入学共通テストの点数が低いと、二次試験を受けられなくなることがあります。いわゆる「足切り」です。足切りの点数は科類やその年の共通テストの難易度によって大きく異なってきます(まれに規程倍率に達さず足切りが実施されない場合もあります)。また、科類によって最大で200点近く足切りの点数に差が出たこともあります。共通テストと二次試験の点数を足した合格最低点も科類によって様々です。「ゼロからわかる進学選択」で解説しますが、どの科類に入っても、「進学選択」という仕組みによって、本人の努力次第でほぼすべての学部に進学できます。入学するときは、自分の共通テストや模試の結果をよく考えて、合格する可能性が高い科類で出願することが重要です。

入学してからは、科類によって何が違うのでしょう。受ける授業はもちろん文理別で大きく異なりますが、科類によっても一部受ける授業が違います。進学選択における進学先にもばらつきがあります。

各学科の進学先や必修の授業には以下のような傾向があります。なお、文科一類と二類、理科二類と三類は合同でクラス分けされます。

文科一類 法や政治の授業が必修の単位として定められており、多数が法学部に進みます。合格最低点も高いことが多く、文系の難関と言えるでしょう。
文科二類 経済学部に進む学生が大半ですが、希望者全員が経済学部に進学できるわけではないので入学後も勉強する学生も多くいます。進学後も数学を多用することになるので文系でありながら数学に熱心な人が多いです。
文科三類 文科の中で募集枠が最大の科類で、文学部と教育学部、教養学部に進む学生が多いです。文学部には哲学、歴史、文学、心理学など様々な専修課程があります。
理科一類 学年のおよそ4割弱が理科一類に属しており、人数が一番多い科類です。数学・物理が得意な人が多く集まります。逆に、生物系の授業は高校で学んでいないことを前提とした基礎的な部分からはじめることが多いです。
理科二類 理科一類よりも生物系の必修が多くなります。入試で物理を選択しなかった学生向けに、物理系の授業には高校物理から始めるコースも設置されています。
理科三類 人数が少ないので、理三というだけで会話の種になります。理三生の大半が医学部に進むため、前期教養生のうちから医学に関する集中講義を受ける学生が多いようです。

大まかな傾向は上記の通りです。どの科類に入学しても、自分の希望の学部に進むためには、入学してからも努力を怠らないことが大切です。

ゼロから分かる進学選択

東京大学には、みなさんがご存じのように進学選択という制度があります。進学選択は複雑な制度で、進学を希望する学部・学科によって違いがありますので、このページでは基本的なことを説明します。

そもそも、進学選択って?

2年生のSセメスターまでの成績で、3年生からの進学先・専門分野を決める制度です。大学入学後、いきなり専門分野を学ぶのではなく、1年半教養学部でさまざまなものを学んで広い視野を持ってから専門分野の研究を始めます。そのため、入学時には思ってもなかった学部・学科に進学することもあります。東京大学のリベラル・アーツ教育の一環ですが、それゆえ入学後も「点数」を気にしなければならないのが困りものです。

成績のつけ方

大学の成績は、基本的に100点満点でつきます。点数によって5つに分かれており、上から「優上」「優」「良」「可」「不可」と呼ばれます。可以上の点数をとれば、単位として認められます。単位を落としても、科目によっては救済措置がある場合もありますが、その場合の点数は低めになることがほとんどです。進級の際には一定の数の単位を揃えなければなりません。

進学選択で使われる成績

進学選択の結果は、原則として「揃えた単位の点数の平均点」によって左右されます。簡単に説明すると、「平均点が高い人から希望の学部・学科に進学できる」ということです。進学選択に使われる平均点ですが、その算出方法も少々複雑です。おおまかには、必修の単位科目の成績と、点数が高い選択科目の成績の平均点が計算されます。なお、一部の学部・学科では、進学選択で学生を順位付ける成績の計算方法が異なります。行きたい学科については、入学時にもらえる「履修の手引き」で計算方法を確認しておきましょう。

進学選択のスケジュール

進学選択には第一段階から第三段階があります。詳しいスケジュールは大学のHPや大学から配布される「進学選択の手引き」で確認しましょう。

指定科類枠と全科類枠

指定科類枠とは、「法学部には文科一類から○○人」といったように、科類ごとに割り当てられた定員の枠のことです。一方、全科類枠は科類による制限のない学部の定員の枠のことです。
指定科類枠をもつ科類からは、全科類枠より低い点数でも進学できることが多いです。入学前からどこに進学したいか考えて、科類を選ぶことも重要ですが、進学選択では文系から理系の学科(理転)、理系から文系の学科(文転)に進むことも可能です(一部、理転を受け入れていない学科もあります)。「入ってからがんばる」というのも一つの手です。

東京大学は専門的な知識を学ぶ学科に進む前に、1年半の猶予期間を設けています。その間に少しでも興味のある講義や、いままで全く触れてこなかった授業をとってみましょう。入学する前に考えていた学科とは違う学科に進む人も多いです。いざ学科に進学するときに選択肢が狭まらないように、入学してからも努力を怠らず、進学選択の制度を上手に使いましょう。

※本動画は2022/9/19 受験生・保護者向けオンライン説明会「東大で学ぶ、ために東大を学ぶ」で説明した動画になります。

動画を見られない方はこちらをクリックしてください。

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